30cmキューブ水槽(約21L)にゼブラフィッシュ30匹を入れて、30日間の飼育記録をとりました。目標は3つ、①30匹を維持する ②行動を観察する ③水から亜硝酸をなくす。結果を先に書きます。
- 魚は30日間、1匹も死ななかった。ゼブラフィッシュは丈夫でよく泳ぐ魚だった。
- ただし「亜硝酸(魚に有害な物質)を0にする」目標だけ達成できなかった。最後まで2〜3mg/L残った(安全なのは1以下)。
- 途中で試した活性炭は、亜硝酸には効かなかった。次回はろ過装置(バクテリアの住む場所)を増やす、という結論。
結果サマリー
30日間の流れ
大きく5つの時期に分けられます。





水質の推移
TDSと亜硝酸は単位も意味も違うので、あえて別のグラフにしています。1枚に重ねると「TDSが下がった=水がきれいになった」と誤解しやすいためです。
用語ミニ辞典
日別記録(全30日)
| 日 | TDS | 亜硝酸 | 水換え | 餌 | 機材・作業 | 観察・メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 107 | — | — | — | ヒーター33℃設定・バクテリア投入 | カルキ抜き後67PPM→バクテリア投入8時間後107PPM。水が白く濁る |
| 2 | 145 | — | — | ブラインシュリンプ0.4g | ガラス蓋→塩ビ板に交換 | 5時間の水合わせののち30匹を投入。全員無事 |
| 3 | 156 | 3 | 7L (1/3) | ブラインシュリンプ0.4g | — | Test6in1:pH6.8/KH6/GH4/硝酸100。亜硝酸が高いので水換え |
| 4 | 休 | 休 | — | — | — | 記録休止 |
| 5 | 169 | — | — | ブラインシュリンプ0.8g | — | 白濁が消えて水が澄む |
| 6 | 171 | — | — | ブラインシュリンプ0.8g | — | ガラス面に苔が付き始める |
| 7 | 176 | — | — | ブラインシュリンプ0.8g | 外部フィルターろ材交換 | ろ材がオレンジ色に。生き餌で水が汚れやすい |
| 8 | 178 | — | — | ブラインシュリンプ0.8g | スポンジフィルター追加・エアーポンプ容量アップ | TDSが安定。亜硝酸の値が気になる |
| 9 | 160 | 0.8 | 7L (1/3) | ブラインシュリンプ0.8g | Tetraツインブリラントフィルター装着 | 亜硝酸パックテストを開始 |
| 10 | 休 | 休 | — | — | — | 記録休止 |
| 11 | 休 | 休 | — | — | — | 記録休止 |
| 12 | 162 | 1 | 7L (1/3) | 殻無ブラインシュリンプ0.8g | — | 亜硝酸は上昇、TDSは下降。殻無タイプを試用開始 |
| 13 | 157 | 2 | 7L (1/3) | 殻無ブラインシュリンプ0.8g | — | 殻無は生き餌より食いつきが劣る |
| 14 | 161 | 3 | 7L (1/3) | ブラインシュリンプ0.8g | — | 亜硝酸がピークの3mg/L。残り1週間で0にしたい |
| 15 | 174 | 3 | — | ブラインシュリンプ0.8g | 活性炭80g×2を投入 | アンモニア0mg/Lを確認。活性炭で亜硝酸を吸着できるか3日間の実験開始 |
| 16 | 224 | 3 | — | ブラインシュリンプ0.8g | — | 活性炭でTDSが50PPM急上昇。アンモニア0。効果は未確認 |
| 17 | 234 | 3 | — | ブラインシュリンプ0.8g | 活性炭を水流のある位置へ移動 | 活性炭2日目、効果なし。アンモニア0 |
| 18 | 250 | 3 | — | ブラインシュリンプ0.8g | — | 活性炭3日目、亜硝酸は吸着できず |
| 19 | 259 | 3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | 活性炭を撤去 | 活性炭は不可と判断。毎日10%換水に切替(TDSはここがピーク) |
| 20 | 240 | 3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | — | 毎日の水換えは手間。対策を検討中 |
| 21 | 226 | 3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | — | TDSは徐々に低下、亜硝酸は変わらず |
| 22 | 221 | 3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | — | 残り9日、亜硝酸0を目指す |
| 23 | 212 | 3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | スタンダードクラシック浄水器を取付 | 塩素除去の手間を軽減 |
| 24 | 休 | 休 | — | — | — | 記録休止 |
| 25 | 休 | 休 | — | — | — | 記録休止 |
| 26 | 213 | 3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | — | TDSの変化が小さくなる |
| 27 | 204 | 3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | — | 休日の給餌対策に自動餌やり機を検討 |
| 28 | 198 | 3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | エーハイム ツインフィーダー・フィーディングステーション設置 | 2種の給餌に対応。稚魚対応も想定 |
| 29 | 192 | 2〜3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | — | 亜硝酸が低下傾向。自動餌やり機は出粉が不均等 |
| 30 | — | 2〜3 | 2.1L (10%) | ブラインシュリンプ0.8g | — | 30匹全員無事。亜硝酸は完全には除去できず |
赤い丸=安全域(1mg/L)超え、緑=安全域内。「休」は記録休止日。3日目の亜硝酸は6項目試験紙、9日目以降はパックテストの値で、試薬が違うため厳密には同じ尺度ではありません。アンモニアは15日目以降ずっと0mg/Lでした。
使った機材
なぜ亜硝酸が下がらなかったのか
記録の数値から読み取れることを4つに整理します。
① 分解の「2段目」が追いついていない
アンモニアは15日目以降ずっと0mg/L。つまりアンモニア→亜硝酸の1段目は回っているということです。止まっているのは亜硝酸→硝酸の2段目で、この担当バクテリアは1段目より増えるのが遅い。21Lに30匹+毎日0.8gの生き餌は、立ち上げ1か月の水槽としては汚れの供給が処理能力を上回っていた可能性が高いです。
② 10%の水換えでは生成量に追いつかない
毎日2.1L(10%)の換水は、単純計算で濃度を1日10%下げるだけ。3mg/Lが2.7になっても、1日分の生成が加われば元に戻ります。TDSは240→192と着実に下がったのに亜硝酸が動かなかったのは、毎日つくられ続けている証拠と読めます。同じ手間なら1/3換水を数日おきの方が濃度は動きやすいはずです。
③ 活性炭は原理的に亜硝酸を吸わない
活性炭が得意なのは塩素・有機物・色素などの吸着で、亜硝酸のような小さな無機イオンは対象外です。3日間の実験結果(効果なし)は想定どおりで、むしろTDSが174→259へ85PPM上がりました。TDSが「汚れ」ではなく「溶けているもの全部」の指標だと分かる良い実例になりました。
④ TDSと亜硝酸は連動しない
2枚のグラフを並べると一目で分かるとおり、TDSが259→192へ26%下がる間、亜硝酸はほぼ横ばいでした。TDSは総量の目安であって、中身が有害かどうかは判別できない。「TDSでの清浄度管理は難しく、水換えタイミングの目安程度」という今回の結論が、そのままグラフに出ています。
次回に向けて
1. 生物ろ材の総量を増やす — 外部フィルターの容量増。既存のろ材は残したまま増設すると、育ったバクテリアを失わずに済みます。
2. ろ材交換の頻度を落とす — 週1で生物ろ材を替えるとバクテリアごと捨てることに。物理ろ過(ウール等)と生物ろ材を分け、洗うのは物理側だけに。
3. 餌をいったん半分に — 0.8g/日を0.4gにして数日見る。亜硝酸が動けば「餌が多すぎた」と切り分けられます。
4. 換水は「量×頻度」で設計 — 毎日10%より、1/3を2〜3日おきの方が濃度は下がりやすく手間も少ない。
5. 水草・浮草を入れる — アンモニアや硝酸を直接吸ってくれるので、立ち上げ期の緩衝になります。
6. 目標線は「1mg/L以下」に — 亜硝酸が0に張り付くのは生物ろ過が完成した合図で、普通1〜2か月かかります。30日で0は日程自体が厳しい設定でした。
水質や生体の判断は水槽ごとの条件差が大きいので、ここに書いたのは一般的な考え方です。実際の対処は、目の前の水槽の数値を見ながら少しずつ進めてください。


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